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日本人のパスポート保有率は少ない!わずか約17%

日本人のパスポート保有率が約17%と、主要国と比べても極めて低い現状をご存知でしょうか。この記事では、最新データからその実態を明らかにし、海外旅行への意識の変化、経済的要因、手続きの心理的ハードルといった、パスポート所有率が伸び悩む複数の理由を深掘りします。さらに、世界との国際比較や、パスポートを持つ多様なメリット、グローバル化社会におけるその重要性までを解説。パスポートに関する疑問を解消し、新たな視点が得られるでしょう。

1. 日本のパスポート所有率の現状

1.1 最新データから見るパスポート所有率の実態

日本人のパスポート所有率は、主要な先進国と比較しても極めて低い水準にあるのが現状です。外務省が公表している最新の旅券統計によると、2023年末時点における有効なパスポート(旅券)の数は、約2,000万件にとどまっています。日本の総人口が約1億2,300万人(2023年12月時点の概算)であることを考慮すると、これはわずか約17%に過ぎません。

この数字は、日本に居住する国民のうち、およそ6人に1人しかパスポートを所持していないことを意味します。つまり、大多数の日本人は、すぐに海外へ渡航できる状態にはないと言えるでしょう。この低い所有率は、国際的な移動の機会が限られているだけでなく、グローバル社会における日本の立ち位置にも影響を与える可能性があります。

最新の旅券統計データは、外務省の「旅券統計」で確認できます。

1.2 パスポート所有率の推移と背景

日本のパスポート所有率は、過去数十年で変動を経験してきました。1980年代後半から1990年代にかけては、バブル経済や海外旅行ブームを背景に、パスポート発行数が大きく伸び、所有率も比較的高水準を維持していました。特に2000年代初頭には、所有率が一時的に20%を超える時期もありました。

しかし、その後は伸び悩みが続き、近年ではむしろ低下傾向にあります。以下の表は、過去の主要な時期におけるパスポート有効旅券数と所有率の推移を概算で示したものです。

時期 有効旅券数(概算) 総人口(概算) 所有率(概算)
1990年代後半 約2,500万件 約1億2,500万人 約20%
2000年代前半 約2,700万件 約1億2,700万人 約21%
2010年代後半 約2,400万件 約1億2,600万人 約19%
2023年末 約2,000万件 約1億2,300万人 約17%

この所有率の推移の背景には、様々な社会的・経済的要因が複合的に影響していると考えられます。例えば、長期にわたる経済の停滞、若者の海外旅行離れ、国内旅行への関心の高まり、あるいは国際情勢の不安定化などが挙げられます。これらの要因が、パスポート所有の必要性を感じさせにくくし、結果として所有率の低迷につながっている可能性があります。外務省の「旅券統計」では、年度ごとの詳細なデータが公開されており、より詳しい推移を確認することができます。

2. なぜ低い?日本人のパスポート所有率が伸び悩む理由

日本人のパスポート所有率が低い背景には、複数の要因が複雑に絡み合っています。海外旅行への意識の変化、経済的な制約、そしてパスポート取得手続きに対する心理的なハードルが主な理由として挙げられます。

2.1 海外旅行への意識の変化と国内志向

近年、日本人の海外旅行に対する意識は大きく変化し、国内旅行への関心が高まる傾向にあります。これはパスポート所有率が伸び悩む大きな要因の一つです。

2.1.1 海外旅行に対する関心の低下

新型コロナウイルス感染症の世界的な流行は、海外渡航に対する人々の意識を大きく変えました。感染リスクへの懸念に加え、渡航制限や帰国後の隔離措置などにより、海外旅行自体が困難な時期が続きました。その結果、海外旅行への関心が薄れ、旅行先として国内を選ぶ傾向が強まりました。 また、国際情勢の不安定化やテロ、紛争といったニュースが頻繁に報じられることで、海外渡航に対する漠然とした不安を感じる人も少なくありません。

さらに、SNSなどの普及により、海外旅行の華やかな側面だけでなく、予期せぬトラブルや文化の違いによるストレスなども共有されるようになり、海外旅行が必ずしも「憧れの対象」ではなくなった側面もあります。

2.1.2 国内旅行・レジャーの充実

一方で、国内旅行やレジャーの選択肢は近年、ますます多様化し、充実しています。政府による観光支援策(Go To トラベルキャンペーンなど)や、地域振興策が活発に行われ、国内の魅力的な観光地が再評価される機会が増えました。地方創生の一環として、新たな観光スポットや体験型アクティビティが開発され、SNS映えするスポットも増加しています。

また、日本国内の交通インフラは非常に発達しており、新幹線や高速道路網を利用すれば、短時間で快適に移動できます。言葉の壁がなく、治安も安定しているため、手軽に安心して楽しめる国内旅行を選ぶ人が増えているのは自然な流れと言えるでしょう。タイパ(タイムパフォーマンス)を重視する傾向も、移動時間が短く、準備に手間がかからない国内旅行を後押ししています。

2.2 経済的な要因とパスポート取得費用

パスポート取得や海外旅行には、少なからず費用がかかります。経済的な負担が、パスポート所有率の伸び悩みに直結している側面があります。

2.2.1 パスポート取得・更新にかかる費用

パスポートの取得や更新には、手数料がかかります。これは、海外旅行を計画しない人にとっては「無駄な出費」と感じられることがあります。特に、一度も海外に行く予定がない、あるいは当面予定がない人にとって、数千円から1万円を超える費用は、パスポート取得のハードルとなり得ます。

具体的な手数料は以下の通りです。

種類 手数料(収入印紙+都道府県手数料) 備考
10年有効パスポート 16,000円(収入印紙14,000円+都道府県手数料2,000円) 18歳以上が申請可能
5年有効パスポート 11,000円(収入印紙9,000円+都道府県手数料2,000円) 12歳以上が申請可能
5年有効パスポート(12歳未満) 6,000円(収入印紙4,000円+都道府県手数料2,000円)

参照元:外務省「パスポート申請手数料」

この手数料に加え、申請に必要な戸籍謄本の発行手数料や、パスポート写真の撮影費用なども発生します。

2.2.2 海外旅行費用の高騰

パスポート取得費用だけでなく、海外旅行全体の費用が高騰していることも大きな要因です。近年、円安の進行や燃油サーチャージの高騰、海外の物価上昇などが重なり、航空券や宿泊費、現地での交通費や食費などが以前よりも高くなっています。 例えば、2023年には歴史的な円安が進行し、ドル建ての費用が日本円に換算すると大幅に増加しました。

観光庁の調査などでも、海外旅行の費用に対する意識の変化がうかがえます。限られた予算の中で旅行を計画する際、費用対効果を考えると、国内旅行が選ばれやすくなっています。

参照元:観光庁「旅行・観光消費動向調査」

2.2.3 実質賃金の伸び悩み

日本人の実質賃金が長らく伸び悩んでいることも、海外旅行を遠ざける要因となっています。収入が増えない中で、パスポート取得費用や高騰する海外旅行費用を捻出することは容易ではありません。生活費の負担が増す中で、海外旅行は贅沢品と捉えられがちであり、優先順位が低くなる傾向にあります。

2.3 パスポート取得手続きの心理的ハードル

パスポートの取得手続きは、以前に比べて簡素化されたとはいえ、依然として心理的なハードルが高いと感じる人が少なくありません。

2.3.1 手続きの煩雑さや時間的コスト

パスポートの申請には、以下の書類準備と手続きが必要です。

  • 一般旅券発給申請書
  • 戸籍謄本(または抄本)
  • 住民票の写し(住民登録をしている都道府県で申請する場合など、不要な場合あり)
  • 写真
  • 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)

これらの書類を揃える手間、特に戸籍謄本を本籍地から取り寄せる必要がある場合や、規定に合った写真を準備する手間は、多忙な現代人にとって大きな負担となり得ます。また、申請窓口は通常、平日の日中しか開いていないことが多く、仕事などで時間を確保するのが難しい人もいます。申請時と受け取り時の2回、窓口に出向く必要がある点も、心理的な負担となっています。

いつか海外に行くかもしれないから」という漠然とした理由だけでは、これらの時間的・精神的コストをかけてまでパスポートを取得しようというモチベーションが湧きにくいのが現状です。

2.3.2 マイナンバーカードとの連携と利便性向上への期待

2023年3月27日からは、マイナンバーカードを利用したオンライン申請が始まり、一部の手続きが簡素化されました。これにより、申請窓口に出向く回数を減らすことができるようになりました。しかし、オンライン申請にはマイナンバーカードが必須であり、対応するスマートフォンやPCも必要です。また、パスポートの受け取りは引き続き窓口での対面が求められます。

オンライン申請の導入は利便性向上の第一歩ですが、まだ全ての人が恩恵を受けられるわけではありません。マイナンバーカードの普及率や、デジタルデバイドの問題も存在します。今後、さらなる手続きの簡素化や、デジタル化による利便性向上が進めば、パスポート取得の心理的ハードルが下がり、所有率向上に繋がる可能性があります。

3. 世界と比べてどう?パスポート所有率の国際比較

日本人のパスポート所有率が低いことは、国内のデータから明らかですが、では世界的に見て日本の位置づけはどうなのでしょうか。この章では、主要国のパスポート所有率と比較し、さらに「最強のパスポート」という観点から日本のパスポートの価値を掘り下げていきます。

3.1 主要国のパスポート所有率と日本

世界中の主要国と比較すると、日本のパスポート所有率は著しく低い水準にあることが浮き彫りになります。多くの先進国では、国民の半数以上、あるいはそれ以上の人々がパスポートを保有しています。これは、海外旅行やビジネス渡航がより身近なものとして認識されているためと考えられます。

具体的な数値で比較すると、その差は歴然です。以下に、主要国のパスポート所有率(概算)をまとめました。

国名 パスポート所有率(概算) 備考
日本 約17% (2023年時点)
アメリカ 約48% (2022年時点)
イギリス 約75% (2022年時点)
ドイツ 約70% (2022年時点)
カナダ 約65% (2022年時点)
韓国 約50% (2022年時点)
シンガポール 約80%以上 (2022年時点)

この表からもわかるように、日本は主要先進国やアジアの近隣諸国と比較しても、パスポート所有率が非常に低いことがわかります。この背景には、海外旅行への意識の違いや、国内の経済状況、そしてパスポート取得に対する心理的なハードルなどが複合的に影響していると考えられます。

3.2 「最強のパスポート」と日本の位置づけ

パスポートの価値を測る指標は、所有率だけではありません。もう一つ重要なのが、そのパスポートでビザ(査証)なしで渡航できる国や地域の数です。この数を基にしたランキングは「最強のパスポート」ランキングとして世界中で注目されており、日本のパスポートは常にその上位に位置しています。

例えば、国際的な移住コンサルティング会社であるヘンリー&パートナーズが発表する「ヘンリー・パスポート・インデックス」などでは、日本のパスポートは長年にわたり世界トップクラスの評価を受けています。これは、日本が多くの国々と良好な外交関係を築き、信頼性の高い国として国際社会に認められている証拠と言えるでしょう。

つまり、日本はパスポートの「所有率」は低いものの、パスポート自体の「価値」は世界で最も高い部類に入るという、独特の状況にあるのです。このギャップは、日本人が持つパスポートの潜在的な力を十分に活用できていない現状を示唆しているとも言えます。パスポートを保有することで得られる国際的な移動の自由や、緊急時の身分証明としての強固な信頼性は、計り知れないメリットをもたらします。

4. パスポートを持つメリットと今後の展望

4.1 海外渡航だけじゃないパスポートの役割

パスポートは単なる海外旅行の道具ではありません。私たちの生活や安全、そして国際的な活動において、多岐にわたる重要な役割を担っています。そのメリットは、海外渡航の有無にかかわらず、私たちの社会生活に深く関わっています。

まず、パスポートは最も信頼性の高い公的な身分証明書として機能します。国内では運転免許証やマイナンバーカードが広く利用されますが、海外においてはパスポートが唯一の国際的な身分証明書となります。これにより、海外での銀行口座開設や携帯電話の契約、ホテルでのチェックインなど、あらゆる場面で本人確認がスムーズに行われます。また、国内においても、公的な本人確認が必要な場面で、その高い信頼性から有効な身分証明書として活用できる場合があります。

次に、海外での緊急時における保護という重要な役割があります。海外で予期せぬ事故や病気、盗難、災害などに遭遇した場合、パスポートは日本国籍を証明する唯一の公的書類となり、現地の日本大使館や総領事館から必要な支援や保護を受けるための必須条件となります。パスポートがなければ、国籍の確認が困難となり、支援が遅れる可能性があります。

さらに、パスポートは国際社会における個人の信用を象徴するものです。多くの国が日本のパスポート保持者に対してビザ(査証)なしでの入国を許可しているのは、日本の国際的な信頼度が高いことの表れであり、パスポートを持つことでその恩恵を享受できます。これは、海外でのビジネスや学術交流、文化活動など、多岐にわたる国際的な活動の機会を広げることにも繋がります。

パスポートが持つ多面的なメリットを以下の表にまとめました。

メリットの種類 具体的な役割・機能
公的身分証明 国内外での最も信頼性の高い本人確認書類として機能し、銀行口座開設や契約手続きなどに利用可能。
緊急時の保護 海外でトラブルに遭った際、日本大使館・総領事館から支援・保護を受けるための唯一の公的証明となる。
国際的な信用 日本のパスポートが持つ高い国際的評価により、多くの国へのビザなし渡航が可能となり、国際活動の機会を広げる。
渡航履歴の記録 渡航先の入国スタンプやビザが記録され、個人の海外での経験や歴史を視覚的に残すことができる。
グローバルな機会 海外留学、ビジネス出張、国際会議参加など、多様なグローバル機会への扉となる。

4.2 グローバル化社会におけるパスポートの重要性

現代社会は、情報の高速化と交通網の発達により、かつてないほどグローバル化が進んでいます。このような時代において、パスポートの存在は、個人の可能性を広げ、日本の国際社会におけるプレゼンスを高める上で極めて重要です。

ビジネスの場面では、海外市場への進出や国際的なパートナーシップの構築が日常となり、パスポートは海外出張や国際会議への参加に不可欠です。また、学術分野では、国際共同研究や海外留学、国際学会での発表など、世界中の知と交流するためのパスポートが求められます。これらの活動を通じて、個人の専門性や視野が広がり、キャリアアップにも直結します。

教育の観点からも、若年層がパスポートを持ち、海外での経験を積むことは、異文化理解を深め、多様な価値観に触れる貴重な機会となります。これは、国際感覚を養い、将来のグローバルリーダーを育成する上で不可欠な要素です。文部科学省もグローバル人材育成の重要性を提唱しており、パスポートはその第一歩となります。

さらに、近年では、e-パスポート(ICパスポート)の導入により、顔認証などの生体認証技術が活用され、出入国手続きの迅速化とセキュリティの強化が図られています。これは、デジタル化が進む社会において、パスポートが単なる紙の書類ではなく、より高度な情報セキュリティ機能を持つツールへと進化していることを示しています。

世界情勢が常に変化する中で、パスポートを持つことは、不測の事態に備え、迅速な海外移動や情報収集を可能にするという側面も持ち合わせています。国際的な危機が発生した際、パスポートは安全な場所への移動や、必要な情報を得るための重要な手段となり得ます。

日本が国際社会で持続的に発展していくためには、国民一人ひとりがグローバルな視点を持つことが不可欠です。パスポートは、そのための物理的な「鍵」であり、世界への扉を開き、新たな知識や経験、そして人との繋がりを生み出すための基盤となるでしょう。パスポートの所有率向上は、日本の未来を形作る上で、単なる数字以上の意味を持つと考えられます。

5. まとめ

日本人のパスポート所有率が約17%と低いのは、国内旅行への関心の高まり、取得にかかる経済的・時間的コスト、そして手続きへの心理的なハードルが主な要因です。しかし、世界的に見ても高い信頼性を持つ日本のパスポートは、海外渡航だけでなく、身分証明や予期せぬ事態への備えとしても価値があります。グローバル化が進む現代において、パスポートを持つことは個人の可能性を広げ、多様な選択肢を得るための重要な鍵となるでしょう。

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